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国際医療リスクマネージメント学会


 



安全技術国内講習会   主催者の挨拶

 

医薬品安全管理研修会2023年 (17年目)

            (日本語社会人教育プログラム)

 

                

医薬品安全と医薬品適正使用の実践

 

 

厚生労働省では、医療提供施設における医薬品安全管理の更なる向上を目指して、医療法、同施行令などに基づき、医薬品安全管理を推進する医薬品安全管理責任者制度やその知識・技術の普及啓発を目的とした医薬品安全管理研修などの対策を推進してきました。

本学会においても、医療提供施設における医薬品安全管理責任者をはじめとする薬剤師や関連の医療従事者の皆様に活用して頂ける知識・技能に関する資料を提供する必要性を認め「医療技術安全教育」の中に「医薬品安全管理研修会」を設置し、全国から多数の参加者を得て研修会を開催してきました。

厚生労働省により年2回開催が指定される研修会に対し、本学会では2日連続開催として遠方からの参加者の便に配慮してきました。特に近年では、COVID-19の感染拡大を受け、遠隔でのリモート研修も併用しています。

 

医薬品の安全管理は、狭義の医薬品安全、すなわちヒューマンファクター等に起因する医薬品に関連した医療事故等の防止と、医薬品情報を正しく活用した医薬品適正使用の推進が両輪となってはじめて推進されます。したがって、医薬品安全管理責任者にあっても、これら2つの側面から医薬品安全を実践していかなければなりません。とはいえ、医療事故の防止と医薬品適正使用の推進は必ずしも独立したものではなく、その両方に密接に関連した内容も少なくありません。

 

そこで本年は、医薬品に関連した医療事故の防止と医薬品適正使用の両方を包括し、かつ実践的な内容をご提供すべく、「医薬品安全と医薬品適正使用の実践」と題して研修会を企画いたしました。今回のプログラムでは、医薬品適正使用に関する基本知識、ならびに実践的な内容を提供します。

 

医薬品の安全確保には、狭義の安全工学的アプローチはもちろん、ヒューマンファクターの理解、患者との人間関係、医薬品適正使用のための情報の活用、副作用の回避、早期発見、対処、AIなど先端技術の活用など、非常に多くの側面からのアプローチが必要です。また、医薬品安全の推進には、薬剤師のみならず、医師、患者、製薬企業などさまざまな方々からの視点も取り入れました。

 

以上、今回の研修会によって医薬品安全の推進に関する基本と新たな側面が貴施設に導入され、適正使用が大いに推進いただけます。

 

 

 

2022 9

 

大谷 壽一

慶應義塾大学医学部 教授

慶應義塾大学病院 薬剤部長

 

酒井 亮二

国際医療リスクマネージメント学会理事長

 

 

 

 



 









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